『異常とは何か』

異常とは何か (講談社現代新書)

異常とは何か (講談社現代新書)

人間精神の歴史をたどり、精神医学を根底から問い直す
〈正常〉と〈異常〉の境界はどこか?

〈異常〉と〈正常〉はメビウスの輪のような捻れた関係である。
どちらが正常とも異常ともいえない形で連続し、
一方が表に出て他方が裏手に回るという構造を持つ。
表と裏は流動的であり、表を正常とするのか、裏を異常とするのかは任意。
表の延長が裏になり、裏の延長が表になる。


〈異常〉とは何か。それは正常の対極として説明可能なものなのか。
〈異常〉と〈正常〉の倒置、2つの反転が起こった歴史と価値観の反転。
精神医学と〈異常〉の関わり。自殺者3万人、うつ病を持った人の数の増加…
私たちは知らぬ間に医学や製薬会社により異常とされているのかもしれない。
正常の過剰態の異常…私たちの日常は果たして正常なのだろうか。
何が異常なのだろうか。
正常と異常のトポロジー
アウシュビッツは異常なのか…とても興味深い。
では、正常とは何だろうか。