『本はどう読むか』

本はどう読むか (講談社現代新書)

本はどう読むか (講談社現代新書)

清水幾太郎(1972)『本はどう読むか』講談社現代新書:297。182㌻。

昨日、27日の夜、とある書店に行き、数冊の倫理学の文献とともに買い求めた本です。
僕は前から本や読書について論じられている本が好きで息抜きによく読みます。

この本は著者の言葉を借りれば「観念の急流」「自然の流れ」に乗って
スピード感を持って読みました。面白かった(´-ω-`)


読書に関する本で思い起こすのは木田元の『なにもかも小林秀雄に教わった』で、
この本を読んでドストエフスキーキルケゴールボードレールの本を買い求めて読み、
新潮文庫から出ている小林秀雄の『モオツァルト・無常という事』を買いました。

読書に関する本の面白さの1つは、著者の読書遍歴を垣間見ることができ、
そこから自分の新たな関心を見つけることが出来るところにあると思います。
僕は高校生の時はドストよりトルストイの方を好みましたし、
小林秀雄?あぁ、聞いた事あるけど…状態でした。

普段読む小難しい本ではなく、こういう人の読書に関する考えや遍歴を息抜きに眺めるのは
楽しいですし、今まで読んだことの無かったあの本に興味を持つかもしれないですね。

なにもかも小林秀雄に教わった (文春新書)

なにもかも小林秀雄に教わった (文春新書)

モオツァルト・無常という事 (新潮文庫)

モオツァルト・無常という事 (新潮文庫)

『解離 若年期における病理と治療』

解離―若年期における病理と治療

解離―若年期における病理と治療

〈「解離」は1990年代以来、精神医学のもっとも白熱したテーマである。実際、精神科臨床の緊急問題であって、それは特に米国においてであるが、わが国において児童虐待性的虐待PTSDに関連して無視できない重要な臨床的問題となってきた。犯罪関連でも今後大きな問題となる可能性がある。しかも、解離は本書にあるとおり、診断も治療も非常に困難であって、現代精神医学に対する最大の挑戦の一つとなっている〉(「訳者あとがき」より)

本書は、「解離」を包括的に描いたはじめての書である。副題に「若年期における病理と治療」とあるが、これは主題の限定を意味するのではなく、解離性障害の多くが児童/青年期に受けた虐待や非道処遇と密接に関連しているからである。なかでも解離性同一性障害ともいわれる多重人格性障害では、その傾向が著しい。
著者は、長年の研究から、一見奇怪な解離性症状、たとえば複数の交代人格の出現なども、同一性の確立と基本的発達過程の挫折ととらえ、発達論的見地から病的解離を理解しようとする。正常な解離と病的解離のちがいや解離性障害の診断から、どのような治療を、特に発達途上の児童/青年に行なうべきかまで、現在のアメリカの研究を総動員した本書は、医師・専門家や被害者・関係者にとって不可欠の書となろう。児童虐待のニュースが毎日のように伝えられる一方、多重人格性障害についての誤った情報も夥しいこの国で、本書刊行の意義はきわめて大きいと考える。
http://www.msz.co.jp/book/detail/04125.html


買った。
自傷との関連で(´-ω-`)

パトナムって名前可愛いよね。

『哲学について』

偶然の唯物論という未踏の沃野へ。カトリシズムの救済の理念とマルクス主義の解放の思想との統合をめざし、フランス現代思想を領導した孤高の哲学者の到達点を示す歴史的文献。

マルクス主義哲学は実在するが、それは哲学としては提出されていない、という逆説をもっている。カトリシズムの救済の理念とマルクス主義の解放の思想との総合をめざしたアルチュセールの到達点を示す歴史的文献。*

買った

『自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき』

自傷からの回復――隠された傷と向き合うとき

自傷からの回復――隠された傷と向き合うとき

自傷者であり、臨床心理学者である著者が、アディクションという視点から自傷について書いた本。読んでて、著者の言葉の端々に感じる元自傷者としての著者と、臨床心理学者としての著者の存在を感じた。あとがきでは、訳者である小国綾子もその「揺れ動く」のを感じたと書いている。

この本は素晴らしいと思う。誰にでも薦めることのできる本であるように思う。特に今現在自傷行為に悩んでいる人と、元自傷者に薦めたい。勿論、教育を志す人や心理、福祉系の学生なんかも読むべきだろうと思う。

どの章も素晴らしく、著者の生きた言葉が感じられる。ただ、第7章のスピリチュアルの部分は僕にはよく分からない。小国はあとがきで次のように言っている。

ただ、正直に告白すると、私は、この章に登場する「スピリチュアル」や「宗教」といった言葉が苦手です。

うん。僕も苦手だ。
著者は第7章「あなた自身のスピリチュアルな空虚感と向き合うとき」のはじめにこう述べている。

宗教的であることと、スピリチュアルであることとのあいだには、大きな違いがある。

なので、「ほうほう、宗教的とは違うのか。じゃあ僕も受け容れられるかな。苦手だと思わないかな?」と思っていた。
ちなみに僕はこの章の最初の方を読んでいて森岡正博の生命学を思い出していた。
森岡は現代文明学研究:第8号(2007):447—486「生命学とは何か」中で次のように言っている。

◆生命学の基本的発想
生命学とは、自分をけっして棚上げにすることなく、生命について深く考え表現しながら、生 きていくことである。p.448
◆各自の生命学
各自の生命学とは、生命学の基本的発想と出会うことをきっかけとして、自分にとっての生命 学とは何かを発見し、掘り下げ、展開していく終わりのないプロセスのことである。p.449

これが著者の言うスピリチュアリティ(「思索と探究、そして時間と労力を要するプロセス」)と似ているなあと思い返していた。

しかし、読んで行くにつれて、神とか信じるとかいう言葉が出始めて
宗教色の濃い感じになっていって、違和感を持った。

ただ小国は、

「スピリチュアルではない私を導いてくれたのは、たくさんの人との出会い」

と言っているし、著者自身も

「スピリチュアルな体験に至るためには、さまざまな異なる道が存在するし、スピリチュアリティについての考え方もさまざまである。同じ境地に達するにも、いくつもの道がある。スピリチュアルな道のりを進むのに、たった1つの「正解」などないのだ」

と言っている。
何がスピリチュアルなのかは、人それぞれなのかもしれない。宗教的な違い、生育歴の違いなどから様々なスピリチュアルがあるのだろうと思う。神なのか、大自然なのか…などなど。


この本を読んで、自傷アディクションとしてここ最近捉えるようになりまた考え方が変わってきているような気がしています。松本俊彦の著書などを読んでいくかな、という感じなうです。

アディクションとしての自傷‐「故意に自分の健康を害する」行動の精神病理‐

アディクションとしての自傷‐「故意に自分の健康を害する」行動の精神病理‐

自傷行為の理解と援助―「故意に自分の健康を害する」若者たち

自傷行為の理解と援助―「故意に自分の健康を害する」若者たち

『精神医学の古典を読む』

精神医学の古典を読む 新装版

精神医学の古典を読む 新装版

買った。

「自然科学というものは新しい知識を追いかけまわすのが本領であるから、古いものは惜しげもなく棄て去って行かれることがよくあり、50年も前に使った医学の教科書などというものは、散逸してしまって何も残っていない。しかし精神医学のように、対象をこころ、精神現象というものにおくと、脳の科学はどんどん発達するのに、こころの科学は発達するとはいうものの、古いものが依然としてまだ存在価値があるのであり、プラトンアリストテレスが今日でも通用するように、ギリシャ時代のマニア、メランコリアパラノイア、アメンテア、ヒステリアという精神障害が通用するのであって、医学の他の科よりも精神医学の古い本がよけい通用しうるのである。」(本書より)
オカルト小説『ゴーレム』、解放者ピネル、妊婦ザーロメ、グリージンガー、ウェルニッケ、平安期のものぐるひ、ノイマン……現代精神
医学の礎を築いたクレペリンへと至る歴史を、精神医学者が叙述する。人間をめぐる深い洞察から生まれた、古典への導きの書。

目次
1 オカルト小説『ゴーレム』
2 カントの『人間学
3 ハインロート――精神分析の先達
4 日本の古い精神医学書
5 うたかたのグッデン
6 ラッシュ――アメリカ精神医学の父
7 アウテンリートとヘルダリン
8 解放者ピネル
9 エスキロール――ピネルの後継者
10 妖婦ザーロメ――フロイトの愛弟子
11 進化と退化――ジョン・ヒューリングズ・ジャクソン
12 アドルフ・マイヤー――アメリカ精神医学の長老
13 グリージンガー―― 「精神病は脳病」か
14 『魔女の槌』――悪魔憑き
15 ウェルニッケ――精神病は脳病
16 平安期のものぐるひ――『医心方』
17 ノイマン――単一精神病論
18 クレペリン――現代精神医学の曙
あとがき

『子どものトラウマ』

子どものトラウマ (講談社現代新書)

子どものトラウマ (講談社現代新書)

ちょっと古い新書なので、引っかかることも多かったけど
とりあえず読了。

虐待の世代間連鎖について何回か出てきて…んー|ω-.)ってなったり、
「ある研究でこのことは実証されている」とか出てきて、
ある研究ってなんじゃぼけーっ!!ってなったりしてた(笑)

西澤哲は昨年同じく講談社現代新書から『子ども虐待』を出しているので
そっちのが読むなら良いのかもしれないね。

子ども虐待 (講談社現代新書)

子ども虐待 (講談社現代新書)

ちなみに中高生かつ自傷者の事を最近色々考えてて、その関連で読んだ。
そーんなかんじ。

今日買った本と来た本

今日買った本

子どものトラウマ (講談社現代新書)

子どものトラウマ (講談社現代新書)

自傷行為の理解と援助―「故意に自分の健康を害する」若者たち

自傷行為の理解と援助―「故意に自分の健康を害する」若者たち

Amazonから来た本

国家〈上〉 (岩波文庫)

国家〈上〉 (岩波文庫)

国家〈下〉 (岩波文庫 青 601-8)

国家〈下〉 (岩波文庫 青 601-8)

エチカ―倫理学 (上) (岩波文庫)

エチカ―倫理学 (上) (岩波文庫)

エチカ―倫理学 (下) (岩波文庫)

エチカ―倫理学 (下) (岩波文庫)

省察 (ちくま学芸文庫)

省察 (ちくま学芸文庫)